2016年、Galaxy Note7がバッテリー発火で大規模リコールに追い込まれたのは記憶に新しい。あれからおよそ9年、今度はGoogleのミッドレンジ機「Pixel 6a」をめぐり、バッテリー過熱の懸念が浮上した。Googleは7月2日、全世界のPixel 6aに向けて“必須”のソフトウェア更新を発表。順次自動配信され、対象端末ではバッテリーの充電上限や急速充電速度が制限される仕組みだと思われる。

影響を受けるユーザーは、満充電時の駆動時間が短くなったり、フル充電までの時間が延びたりする見込みがある。ただしGoogleは「危険回避が目的」であることを強調しており、該当端末の所有者には無償バッテリー交換か現金補償、またはGoogle Storeで使える割引クレジットのいずれかを提供する予定だ。なお、同社は過熱リスクが潜在的に高い個体のみを識別して機能を有効化すると説明しているが、選定基準は公開していない。

ここで思い出されるのがNote7だが、今回のケースは当時とは性格がやや異なる。Note7では全端末が即時リコールとなり、最終的に販売そのものが停止された。一方、Pixel 6aはソフトウェアによる段階的な出力制御でリスクを抑え、端末の使用自体は禁止されていない。ハードウェア交換に応じるかそのまま使い続けるかはユーザーが選べる点も大きな違いだ。

ソフトで性能を絞る措置は歓迎されにくいが、最悪の事態を避ける“保険”と考えれば理にかなっている。Pixel 6aユーザーは落ち着いて情報を把握し、提示された救済策を活用したい。