セキュリティとプライバシーに特化したサービスで知られるProtonが、新たにオープンソースの2要素認証アプリ「Proton Authenticator」をリリースした。同アプリはAndroid、iOS、Windows、macOS、Linuxなどのすべての主要プラットフォームに対応し、無料で提供される。

広告やトラッカー、データ収集メカニズムは一切使用せず、Protonアカウントなしでも動作する点が特徴。エンドツーエンド暗号化による安全なデバイス間同期機能を搭載し、生体認証またはPINによる追加の保護層も提供する。

特筆すべきは、データの移行とポータビリティに対するアプローチだ。他の認証サービスから既存のトークンを簡単にインポートできるだけでなく、ユーザーが後から認証コードをエクスポートできる機能を提供している。この双方向のデータフローは、Microsoft AuthenticatorやAuthyなど他の主要認証アプリではほとんど見られない機能で、ベンダーロックインを回避できる点が大きな優位性となる。

このアプリの投入により、Proton Mail、Proton VPN、Proton Drive、Proton Passなどと並ぶ同社の製品ラインナップがさらに充実することになる。オープンソースながらソースコードのGitHub公開には通常数週間を要するため、現時点では確認できない状況だという。