Google 版は「マグニチュード 4.5 以上かどうか」を判定しユーザーに通知するシンプルな設計だが、Samsung は震度や時刻に合わせて感度を変えられる仕組みを持ち込み、昼は誤報を減らしつつ夜は敏感に反応させるといった使い分けを可能にしたアプリをサムスンが今後リリースするかもしれない。

通知音や画面のフラッシュをあらかじめプレビューできるので、実際のアラームがどれほどのインパクトになるかを試せるのもユニークだ。さらに通知履歴をさかのぼって確認したり、近隣の避難所を即座に検索したり、緊急連絡先へワンタップで発信したりと、アラート後の行動まで視野に入れている。持病やアレルギー情報をロック画面に表示するオプションも用意されており、救助時の円滑な情報共有も意識されているようだ。

 機能そのものはまだ非公開フラグで隠されており、現行の公開ベータ版では実際に有効化できない。サービス提供地域はアナウンスされていないものの、Google モバイルサービスが限定的な中国市場を想定している、という見方もある。もっとも、災害が多い日本やトルコなどでも需要は大きいはずで、最終的にグローバル対応へ広がることは十分考えられる。

 Samsung はここ数年、安全・健康系の機能を急速に拡充してきた。Galaxy Watch では転倒検知や心電図計測を、スマートフォンでは事故検出や SOS 自動送信をすでに提供しており、今回の地震アラートは「いざというとき Galaxy が命綱になる」ラインアップの最新ピースと言えそうだ。Google の標準機能を取り込むだけでなく、自社の UI ポリシーに合わせて再設計するあたりに、プラットフォーム外でも差別化を進めたいという強い意思を感じる。

 もっとも、今回判明した仕様は APK の解析結果に過ぎず、正式版では設計や名称が変わる余地やそもそも発表リリースされない可能性も大いにある。それでも「震度設定が自由」「避難行動をサポート」「医療情報まで連携」という三拍子は、緊急時のユーザビリティを一段引き上げる可能性が高い。リリースされる頃には、Galaxy ユーザーが“次の地震”に備えるための心強い相棒が、そっと待機しているかもしれない。

Souce:SamMobile / 9to5Google